<Header>
<Author: 李商隱>
<Title: 無題>
<Format: 七言律詩>
<Year: 2000>
<BookName: 校注唐詩解釈辞典>
<Translator: 松浦友久>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle: 無題（むだい）>
<BookPage: 606>
<UsedPage: 1>
<Feature: 1, 2, 4>
<End Header>
<Poem>
颯颯東風細雨來，
芙蓉塘外有輕雷。
金蟾齧鏁燒香入，
玉虎牽絲汲井迴。
賈氏窺簾韓掾少，
宓妃留枕魏王才。
春心莫共花爭發，
一寸相思一寸灰。
<End Poem>
<Translation>
春風がサァー細やかな雨を伴なって吹いて来た。$烟雨にかすむ$芙蓉池のかなたに、遠雷の音がかすかに聞こえてくる。 
$部屋の中では$黄金作りの蝦蟇の香炉が口を閉すと、香煙が隅々まで流れ入り、$窓の外では$玉製の虎の轆轤がつるべを引きつつ、井戸辺でカラカラと廻っている。
そのかみ、賈充の娘は簾のかげからのぞいて、父の部下、年若い韓寿に一目惚れ。悲運の后、甄后は胸の思いを玉鎮の枕に托し、曹植は晴れぬ心を「洛神の賦」に詠んだと言う。$しかし、今の私は韓寿ほど若く美しくもない。まして、思いを意のままに綴る曹植の才に及びもつかない。$
人を恋うる青春の情熱は、$春の訪れとともに一挙に咲く春の花にも似て、何ともとどめかねるものではあるがこゆめ、花とともに咲こうなどとは考えまい。一寸の心の中に燃えさかる恋の思いは、やがて$時の移ろいにつれて、$燃え尽きて灰になって しまうのだから。
<End Translation>
<Formatted Translation>
春風がサァー細やかな雨を伴なって吹いて来た。
$烟雨にかすむ$芙蓉池のかなたに、遠雷の音がかすかに聞こえてくる。 
$部屋の中では$黄金作りの蝦蟇の香炉が口を閉すと、香煙が隅々まで流れ入り、
$窓の外では$玉製の虎の轆轤がつるべを引きつつ、井戸辺でカラカラと廻っている。
そのかみ、賈充の娘は簾のかげからのぞいて、父の部下、年若い韓寿に一目惚れ。
悲運の后、甄后は胸の思いを玉鎮の枕に托し、曹植は晴れぬ心を「洛神の賦」に詠んだと言う。$しかし、今の私は韓寿ほど若く美しくもない。まして、思いを意のままに綴る曹植の才に及びもつかない。$
人を恋うる青春の情熱は、$春の訪れとともに一挙に咲く春の花にも似て、何ともとどめかねるものではあるがこゆめ、花とともに咲こうなどとは考えまい。
一寸の心の中に燃えさかる恋の思いは、やがて$時の移ろいにつれて、$燃え尽きて灰になって しまうのだから。
<End Formatted Translation>